lichtschein‐光‐
□lichtschein《序章》
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光の力。
闇に対抗する力。
先祖代々、高等な光の力を受け継いでいるカトレリア一族がいた。
その光の一族でありながら、闇の力を持って生まれた自分…
身につけている特殊な石の力で闇の魔力を抑えこんでいるが、完全に消すことはできない。
周囲から異端視されることに変わりはなかった…
―自分の屋敷では―
「私はあなたとは違うのよ!光の魔法すらまともに使えないあなたなんかと一緒にしないでちょうだい!」
紅く長い髪をした美しい女性が、キツイ口調で忠告している。
あらゆる光魔法が使え、国からも認定を得ている優秀な光術師、セレーナス。
プライドが高く、光の魔法に関しては人一倍厳しい性格だ。
家族とは認めてくれず、冷たい態度で他人のように接する姉だった。
―外に出ても―
「ぷっ、今の聞いた?“光の魔法は大切な力”だってさ〜笑っちゃうわねぇ」
「出来損ないのあんたがそんなこと言える立場じゃないのよ。あんたわかってんのかしら?」
ウェーブ髪とストレート髪の少女が嘲笑した。
――
偶然というのはある。
思いがけない出来事にあったりすることだってある。
災害はいつ起こるのか予測できない。
しかし、それらの不満は自分へと向けられるようになった。