□イチ
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ヒュウウウウウウー

と。そんな効果音がぴったりのここは切り立った崖。

寧楽を見渡せるその崖に人影が立つ。

 「ッ…ッ…ついたやん!! 青龍!!」
 「当たり前でしょ。ナツキ。 途中からオレが道決めたんだから。」
 「そんな悲しいこと言わんでよ〜」

そこには、1人しか人は見えないのだが…。なぜなのだろう? 会話っが成立してる。

だが、声は確かに漏れてくる。男の声なのだが…???

 「…さて、十一代目様までは、まだかかるな。そもそもお前があーだこーだ言わなかったら…」
 「いーやん。別に。着くんやし。」
 「…」
 「…何ぃ??…」
 「…いいね。 お前、そういう性格で。」
 「…何!!? 褒めてるん??」
 「…ホントイイね。」

 

貴族の庭から、召使いは空を見た。ふと偶然に。

そこには、青い光が一筋。

それは生きていてはなかなか見られるものでは無いのだが…。

そんなこと、この召使いに分かるわけがない。

 「空は気持ちエエね。」
 「ああ。」

そんな会話が、天(上)で交わされていたことも。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、また3年前にもどろうか。

 「え〜、ではこれから、神の使う術の発動の仕方から、術の種類まで説明しま〜す。」

いつもの老師ではない、若い先生が教えていた。ちゃんと先生の資格を持っているかも不思議だが。名前は緒璃鶴(オリヅル)。オトコ。17歳。

この初等部を教える先生の中で、1番若く1番強い(噂)の神だ。

 『そんなのもう知ってるんじゃない…???』『ってゆーか、知らない奴、ありえんくない??』

そんな小声を知ってか知らずか、先生は言葉を続けた。

 「まぁ、みんな知ってると思うしね。ボクもあんまり説明はしたくないんだけどさぁ…。」
 (ならやるなよ。)

生徒の大半がそう思ったことは黙っておこう。

 「なんかさぁ、学院長様がねぇ、知らない子がいるんだって。」
 (ギクッ)

それが、頼条シラだということは黙っておこうか。

 「ま、いいや。*壱生用の教本に載ってたし、読んでもらおうか。ん、じゃ、前から順番に。」   壱生…1年生の意

 

 

 

 
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