□ゼロ
1ページ/3ページ

ある処にお姫様が居りました。

お姫様はそれはそれは美しく全ての物を魅了しました。

お姫様には2人 お付きの兵士がおりました。

1人は赤い花、1人は青い花でした。 

3人が仲良く暮らしていましたが、3人には呪いが掛かっていました。

そんなとき、1人の旅人が国を訪れました。

 

 

 

 

 

 

 - clover - 〜幸せ。只、それだけを願って。〜

 

 

 

 

 

 

ここはどこだと思う? ボクにしてみればここは現世だけど、君たちにしてみれば異世界、そんなところかなぁ。

ま、少なくともそう思っていてくれれば、あんまり不自由は無いよ。

ここに綴られているのはボクとその友人達の物語。少しだけ、ね?少しだけだけど、聞かせてあげる・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

大陸中央部、そこに大国として名を馳せている軍事国家があった。その国の銘は『倫』(リン)。

倫国のはずれもはずれ。汚らしい安居酒屋にハスキーな声がうっすらと響く。

 「倫の『陰舞』かぇ?」
 「はっ。」

陰舞という単語に周りの客がざわめく。陰舞は倫の極秘任務を遂行するもの達の総称。

陰舞に目を付けられて、よいことはあまり無い。

 「陰舞がボクになんのようなん?つまらん用なら、早ぅ終わらせてなぁ。」
 「今の倫の状況は青龍将さまもお解りの筈…」

ふぅっと『青龍将』が息を吐く。

 「そろそろ、潮時やねぇ あの大国も。」

そのじゃべり方には、どこか癖がある。

 「分かっていらっしゃるのならば…!!」
 「ええよ。」
 「はっ…!!?」
 「帰ってあげる言うてんの。倫に…。倫の中心に…ね。 伝えときぃ。」

その言葉を最後に陰舞は消えた。青龍将も残っていた酒を飲み終える。

 「ここともお別れや……んじゃあ…」
 「待って!!ナツキ!! つりが…!!」

若い店員の声も虚しく、ナツキは闇に消えていった。

青い髪に青い目はナツキと呼ばれていた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ