話
□ゼロ
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ある処にお姫様が居りました。
お姫様はそれはそれは美しく全ての物を魅了しました。
お姫様には2人 お付きの兵士がおりました。
1人は赤い花、1人は青い花でした。
3人が仲良く暮らしていましたが、3人には呪いが掛かっていました。
そんなとき、1人の旅人が国を訪れました。
- clover - 〜幸せ。只、それだけを願って。〜
ここはどこだと思う? ボクにしてみればここは現世だけど、君たちにしてみれば異世界、そんなところかなぁ。
ま、少なくともそう思っていてくれれば、あんまり不自由は無いよ。
ここに綴られているのはボクとその友人達の物語。少しだけ、ね?少しだけだけど、聞かせてあげる・・・・・・
大陸中央部、そこに大国として名を馳せている軍事国家があった。その国の銘は『倫』(リン)。
倫国のはずれもはずれ。汚らしい安居酒屋にハスキーな声がうっすらと響く。
「倫の『陰舞』かぇ?」
「はっ。」
陰舞という単語に周りの客がざわめく。陰舞は倫の極秘任務を遂行するもの達の総称。
陰舞に目を付けられて、よいことはあまり無い。
「陰舞がボクになんのようなん?つまらん用なら、早ぅ終わらせてなぁ。」
「今の倫の状況は青龍将さまもお解りの筈…」
ふぅっと『青龍将』が息を吐く。
「そろそろ、潮時やねぇ あの大国も。」
そのじゃべり方には、どこか癖がある。
「分かっていらっしゃるのならば…!!」
「ええよ。」
「はっ…!!?」
「帰ってあげる言うてんの。倫に…。倫の中心に…ね。 伝えときぃ。」
その言葉を最後に陰舞は消えた。青龍将も残っていた酒を飲み終える。
「ここともお別れや……んじゃあ…」
「待って!!ナツキ!! つりが…!!」
若い店員の声も虚しく、ナツキは闇に消えていった。
青い髪に青い目はナツキと呼ばれていた。