話
□イチ
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ボクは一体なんなのだろう??
子供の頃は、その疑問しか思いつかなかった。
記憶は鮮明にのこっている。
この事が血筋によることだなんて、
その頃のボクはまだ1つも知らなかったんだ。
鮮明な血の色… 真っ赤な色… 青い…眼と髪と…『神』
- clover - 〜幸せ。只、それだけを願って。〜 <壱>
『学院ハピネス』で育った生徒達は、ゆくゆくは国の戦力になるために生きてる。
戦士達の総称、それは『神』。
不思議なものだと思う。幸せという名の学園で育てられた生徒達は成長すると、人を殺め、自分の道を踏みしめる。
だが、そのもの達は『神』と呼ばれる。計り知れない歴史のなかで、何故人々がそう呼ぶのか、
未だ分からない事の多い、この国。倫。
そんな国にも、司令塔、つなわち、『帝』は存在する。
中央、寧楽にそびえ立つ、城。それは下々のものには、触れることすら叶わない。
2つの対の塔の、比較的豪華で、ほんの少しばかり高いとされる塔、それが『明蘭宮』(ミョウランキュウ)
『天界』へと繋がるとされる、真っ白な塔。 それは見た目だけではなく、雰囲気そのものが白だった。
信じているものもいれば、信じていないものもいる。
けれど、それを確かめられるすべは無い。ならば気にしてもしようのない事。
忘れ去られたような、虚無感と、もの悲しさが、そこには…立ちこめていた。
+−−明蘭宮、最上階−−+
「『青龍将』はまだ来ぬか…」
「はっ、しかし、もう一月も前に下神(げしん)の陰舞が確認をとったと報告を受けております。」
「まぁ、よいよ。」
「しかし…神宮帝(カンノミヤテイ)さま…!!」
「…しらんのか?? あのガキは、俗に言う極度の方向音痴って奴だ。気にすんな。」
「はぁ…」
神宮帝、それは神に与えられる最高位の称号。
神の宮の帝。神の中の神。帝のなかの帝。そんな者に与えられる呼び名だった。