話
□ロク
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大好き。
そんなの1人だけのわけないよね。
1人だけなんてあんまりない。
ってかボクの生きてきたなかでそんな人はいなかった。
みんなみんな心の底では、いろんな人を愛してて
そして、愛してもらってる。
だからボクはいろんな人に言いたいんだ。
ありがとう。大好きだよ。って。
- clover - 〜幸せ。只、それだけを願って。〜 <六>
1時間。シラ達は走り続けた。
「せんせぇ〜 まだぁ〜」
くたくたに疲れていた。
「・・・っ はぁ・・・」
シジョウでさえ、ため息を漏らす。太陽は今か今かと最高温度を狙っているようだった。
「あっつ〜い」
アオイがそんな声を漏らしながらふとナツキの方を見た。
「・・・??・・・」
走りながら器用に地図を揺れないようしている。
だが、その目は体ほど余裕ではなく、しっかと地図に見入っていた。
「・・・? 先生、どうかしたの??」
アオイが尋ねてもナツキは聞こえていないのか知らんぷり。
見かねたシジョウが声を掛ける。
「・・・おい・・・道はあってんだろうな。」
確信の一言。ナツキの目がちらりとこちらを向く。それは怒られるのを待っている子供のようだ。
「・・・ねぇ・・・怒らへん??」
「・・・」
走りながらの沈黙が続いた。
「・・・ふ」
と、3人は息をすった。
「「「・・・ ふっざけんじゃね〜!!!!!!」」」
大声でそれは終わりを告げたが。
「つま・・・り先生。地図の見方がよ・・・く分からなくなったの・・・ね。」
「うん。この辺まではね・・・」
ナツキ達一行は途中の岩場で休憩をしていた。
只1人息の上がっていないナツキは普通に受け答えをするが、
アオイは息で切れるところが間違っている。
シラもシジョウもアオイも、ハピネスで十分すぎるほどの体力をもったはずなのだが・・・。
「うん。分かった先生。あたし達で何とかすから。」
「・・・先生、どうだってぇ??」
話を切り上げてきたアオイにシラが声をかける。
「どーにもこーにも・・・ 結構回りくどいことしてたみたいよ。私たち。」
そう言いながら、アオイは地図を2人に見せる。
「うわ〜・・・ってか・・・俺らの苦労は一体・・・」
「・・・そぉよねぇ・・・」
アオイとシラが疲れたように言うと、またもやシジョウが確信を突く。
「・・・間に合うのか・・・」
「それは大丈夫!!」
いきなり声が飛んできたので3人の顔はぐるんと後ろを振り返る。
「・・・たぶんこーなると思うて、2時間くらい早く出てきんやから〜」
「「「ふざけんなよ。おい!!!」」」
また怒号が飛んだが、コレくらいナツキ先生はしおれるような玉ではない。
「そないなこというてもねぇ〜 ボク結構方向音痴やからなぁ〜」
「それがふざけてるていゆうのよ!!」
「分かってるンなら俺たちに地図貸せって話だ!!」
「・・・ふん・・・馬鹿が・・・」
それでもナツキ先生の気分は萎まないのであった。
「もぉ〜怒んないって言ったやんけぇ〜」
そんなナツキを余所に話しは進む。
「ここは・・・こっちじゃないかしら???」
「で、こう・・・か??」
「・・・ ・・・ここから既に間違っていたんじゃないか・・・???」
またしてもシジョウの言葉で問題が解決し、ナツキは怒られるハメになる。