□ナナ
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ふわりふわりと舞い落ちた、

それは綺麗な若紅葉。

綺麗と言えば、

あなたの髪と同じと言われ。

だが紅葉さえも裏切るは。

全て儚きこの乱世。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 - clover - 〜幸せ。只、それだけを願って。〜<七>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はじめまして。今回護衛を依頼申しあげた、菊炎美砂都と申します…!」

少し蒸気した顔であいさつをする美砂都。

ナツキへ晒した失態が、よほど気にくわなかったらしい。

「はい。はじめましてね。・・・ナツキいうの。」
「美砂都ねぇちゃん!! よろしくな!! オレ、シラっていうんだ」
「・・・フン・・・ シジョウだ。」
「アオイです。よろしくお願いします。」

そんな美砂都の様子をよそに、へらへらと笑いながらナツキもあいさつを返す。

「…で、こちらが付き人の…」
「榎澄といいます。」

ふわりと微笑んだ女性。見たところ、毛や目の色は平民の域を出ない。

ちろり。

一瞬だけ、ナツキと榎澄の目があう。

2人とも、微笑みを交わしただけだった。

そんなとき、家臣たちからひそひそと話し声がする。

内容はどうも、美砂都のあのような声は初めて聞いたとかそのあたりの他愛のないもの。

「・・・」

急に顔を伏した美砂都をみて、ナツキが歩き出す。

「さて、そろそろ行こか。」
「まっ・・・待って!! ナツキ先生!!」

すぐにアオイが行って、シジョウが後に続く。

「さ、美砂都さま。」
「いこう!! 美砂都ねぇちゃん!!」

けっきょく、籠とその運び手は置いていかれたのだった。

 

 

 

 

 

 
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