舞う言の葉

□そら
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赤。
全てが、赤かった。
眩しい赤。
その時、私は赤いものを認識した。
円い、円いもの。
赤いもの。
それは、もうすぐ落ちそうな太陽。

太陽の上には、ひらべったい雲があった。
雲は、赤く青く、
太陽の光と、うしろの青空を、
一緒に背負ったまんまで、
じぶんは紫色になって、
横に寝そべっていた。

雲が壁のように、赤い光と青い光を分けた。
青い光は、空を真っ青に、
赤い光は、山と海と人を染めた。

真っ青な空は、
紫の色をした雲が、
ふよふよ漂うだけで、
闇がない。

やがて、赤い、円いものは、
雲に隔たれたまま、
海に溶けていく。

また、あしたと
言いながら。

秋の海へ、溶けた。

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