綴られた言の葉
□rouge&blanc
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赤い、赤い世界。
その世界に、あたしはいる。
目の前に広がった赤い華。
次々に咲き乱れては、朽ちていった。
その華は、あたしの真っ白なドレスをも赤く染めた。
近くない将来、あたしが着るためのドレス。
そのドレスを、真っ赤に、染めた。
「きれいだね、お兄ちゃん」
呟いたその先に、お兄ちゃんはいない。
とうに、死んでしまった。
真っ白なドレスを残して。
お兄ちゃんのいないそこにあるのは、赤い華を咲かせたモノたちだけ。
お兄ちゃんのいない世界なんて……いらない。
「みんなみんな……なくなっちゃえ」
かちゃん、と手にしていた金属が地面に落ちた。
「あーあーあー、随分と派手にやったもんだねぇ」