魔法世界

□18:こちら、吸魂鬼退治屋
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何かが、
少しずつ変わっていく





こちら、吸魂鬼退治屋






奇妙なことが起こった。

あれだけ声歓でうるさかった競技場に、気味の悪い沈黙が流れる。
これだけの人数が一斉に黙り込むなど普通は有り得ない。
ようは今が、普通ではないのだろう。

それはそうだ。百体以上もの吸魂鬼がこの競技場内にいるのだから、異常事態には違いない。
雨で下がっていた気温が、またぐっと低くなった気がする。

グラウンドへ降りる階段へ走り、何段か飛ばしながら下へ向かった。
数回足を滑らせそうになるが、どうにか持ち堪える。
そしてろくに使えもしない杖を、ローブの中から取り出す。

階段を下りきった瞬間、上の方から悲鳴が聞こえた。
その声がハー子のもののように思えて口元を引き結ぶ。

グラウンドに出て空を見れば、落ちて来るハリー。
ふと目を細めて観客席を見る。


「どうして──」


上空にも、たくさんの吸魂鬼。
まるで観客席にいる生徒を襲うかのように下りて行く。

視線をさっとダンブルドアへ向けると、彼と目が合った。
その杖はしっかりとハリーへ向けられていた。
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