※短編集※
□毎日騒動(T)
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〜三山家の1日〜
某月某日。
5:30を知らせる携帯電話のアラームを止めて、悟史が起床する。
「ふぁあ…」
季節によっては、まだ日は昇っていない。
悟史は寝起きが良い方なので、すぐにベッドから降りて身支度を整える。
制服のズボンとベルトだけ身に付け、後の荷物は両手に携えて、階段を降りる。
居間へと行くと、大抵は既に由梨香がキッチンに立っている。
「おはよう」
「あ、おはよう。洗濯物は洗濯機に入れておいてね」
「分かった」
由梨香に言われた通りに、脱いだ寝間着と制服を持って脱衣場へと赴く。
そこで着替えを済ませる。
再び居間へ行った時には、朝食が仕上がっている。
主なメニューは、目玉焼きとトースト、ミニサラダと紅茶だ。
悟史が朝食を取りながらテレビの早朝番組で世間の情報を入手している頃、由梨香は朝から大忙し。
その頃には、時刻は6時になっている。
由梨香は二階へ赴き、日向の寝室のドアをノックする。
「日向さん、起きてますか?」
「………」
反応がない時は、構わずドアを開ける。
目覚まし時計が鳴り響いているにも関わらず、日向は高い寝息を立てて眠っている。
由梨香は眠っている日向を揺すり起こす。
「日向さん、起きて下さい」
「…んー…」
「洗濯物を片付けたいので、起きて下さいってば」
「…んん…」
日向は渋々起き上がり、5分ほど動かない。
「早くして下さいね♪」
そう言って由梨香は居間へ行き、悟史が食事を終えた後の食器を片付ける。
自分はトーストにジャムだけを塗って食べるだけで、ほとんど腹には入れない。
時刻が6時10分になると、制服を身に付けた日向が居間へ来たので、こしらえた朝食を示して脱衣場へと赴く。
洗濯機を回して、歯を磨き、顔を洗って髪にクシを入れる。
身なりを念入りにチェックして、お気に入りの香水を噴きつけた。
その後で日向が食事を終えた後の食器を片付け、居間に軽く掃除機をかける。
その間に悟史と日向は歯を磨き、顔を洗い、身なりを整える。
悟史が使い慣れた香水を噴きつける隣で、日向は片目が隠れるように髪型を整える。
その頃には洗濯機が止まっているので、悟史が洗濯物を乾燥機に放り込んで洗濯は完了だ。