永遠の存在

□真なる絆(全45ページ)
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九月一日。


「佐川急便でーす!」


朝の七時、三山宅に宅配便が来た。


すでに制服を来て準備万端の悟史が、受け取りの為にサインする。


「ご苦労様」


「ありがとうございましたー!」


荷物を確認する。


宮島の父親からだ。


中身は…衣類。


「兄さん、それは?」


髪を櫛でとかしながら由梨香が訊いた。


悟史は荷物を開封する。


タキシードが二着と、鮮やかな緑のドレスと共に、手紙が入っていた。




“三山家一同様。

あまり堅苦しいのは好きではないので、いつも通りに用件を伝えよう。

私と同じくして、資産家の跡取り娘である…神田椿様から、舞踏会へお呼びがかかった。

無論、私は商談の為に出席するのだが、是非一緒に来てくれ。

今まで迷惑をかけた分とまではいかないが、私からの感謝とお詫びを込めて、気晴らしに。

――レッドステーション株式会社社長直配”




「宮島の親父とは、因縁があるからな。丁度良い」


「じゃあ、兄さん。出席するのね!」


「お前…何か嬉しそうだな」


悟史は苦笑した。


「不謹慎なんだけど…私、貴族のパーティーなんて初めて!それに…綺麗なドレス…」


そこへ、あくびをしながら日向が現れた。


悟史が事情を話してやると、日向は寝癖の頭を掻いた。


「神田椿…。主催は、本人?」


「どうなんだろうな。椿さん、あんまりパーティーとか好きって感じしないし…」


「…まあいいや。三山君達が行くなら、僕も行く」


三人は、朝食を済ませ…大きな虫籠を持って登校した。


大きな虫籠には、繁殖してしまったハムスター達が芋洗いのごとく…。


それが、三つ…である。


悟史の頭には、チッポが乗っている。


電車の中で、チラチラ見られはしたが…無事に学校へ着いた。
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