永遠の存在

□戦争(全53ページ)
1ページ/53ページ

2003年1月8日。


冬休みも終わった新学期。


立花駅を出て、すぐの道路。


「ハァ…憂鬱だ…」


「お〜い、宮島ぁ。拾い食いでもしたかぁ〜?」


溜め息つきながら登校していた宮島の肩を、悟史が叩いた。


「ああ…三山か。おはよう…」


「おはようさん。って、どうしたんだよ。らしくもない」


「実はさ…。生徒会に招集がかかってさ…」


「招集?宮島がかけたんじゃないのか?」


「ああ…。僕に招集命令が来るとすれば、校長か教頭くらいのものさ…」


「校長…」


荒沙妃高校の校長は神出鬼没だ。


悟史達在校生は、校長の顔を知らなかった。


「だから憂鬱でさ…。ああ…やっぱり欠席すれば良かった…」


「宮島…元気出せよ。もしかしたら、教頭からの招集命令かも知れないじゃん」


「そうだと良いが…」


ふと、宮島は悟史の周囲を見回した。


「由梨香と聖は?一緒じゃないんだな」


「あいつら、休みボケが抜け切っていないらしくてさ。置いて来た」


「アハハ…それはまた…」


「あれ?」


悟史は振り返る。


「よお!おはようさん」


「野杉じゃん!はよッス!」


「おはようございます」


三人は並んで歩いた。


「俺ら、今日は始業式だけらしいな」


「そうらしいな。ああ…羨ましい」


「おや?」


彼方から、物凄い速さで誰かが走って来る。


「寝坊しちまった!!!ありゃ??」


「よお、利音。はよッス」


「おはようさん」


「おはよう、村川」


「ありゃりゃ…おはよう…。なぁんだ、全然、セーフじゃん…。あー良かった」


村川はほぼ毎日、教室の鍵を開けるのが日課になっている。


なので、いつもは悟史達より先に教室に居る。


「珍しいよな。こんだけ揃うなんてさ」


悟史が言った。


「そうだな。というか…」


野杉は辺りを見回した。


「…妙だな。登校して来ている生徒の数が少ないような…」


「何でだろ…」


「さぁな…。行ってみれば分かるんじゃね?」


「確かに、そうだね」


やはり始業式が始まっても。


登校していた生徒は半数のみだった。


すぐに、その訳が判明した。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ