‡参之巻‡

□知りたかったのは
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((おい、相変わらずお前んとこの上忍駄目人間だな))

((あ?まぁな…何時も遅刻ばっかしやがるし。今度いっぺん絞める。怒))

おぉ怖ぇー。
そう言ってシカマルは音の無い会話の相手―ナルトを見遣ってわざと首を竦めてみせた。

――そう、先程カカシに向って物騒な事を言っていた人物はあのナルトだったのだ。

実はこの二人、ナルトとシカマル(とあと一人いのもだが)は木の葉の暗部の頂点に立つ実力者達で。

4歳の頃から既に力を持っていたナルトと違い、シカマルといのの二人は彼の厳しい特訓の甲斐あって数年前に暗部へと入隊した。


本来なら彼らが下忍として活動する必要はなかった。

それに表に居ればナルトは里から九尾として扱われるから。本人は気に留めていなかったがそれを二人はとても嫌がった。


何故あの子がこんな目に合わなければならない?

一番の被害者は他のだれでもない、この何よりも優しい心を持った彼だというのに…

だから本当は闇に潜ってしまいたかった、影として里を支えられれば三人ともそれでよかったのだ。

けれどそうしなかったのは――


『名家の子供達の護衛』


三代目火影から下った命令がこれだったから。

たとえ任務という形であったとしても、三代目はナルト達に“友”と呼べる存在を作ってあげたかったのだろう。

彼は本当に優しいひとだった…

そんな三代目からの命だったからこそ今三人はこうして下忍として生活していた。


((所でシカマル…助っ人なんて下手な言い訳してまで此処に来た本当の理由は何だ?))

何もかも見透かしたような鋭い目でナルトが問う。
それに対してシカマルは

…やっぱお前にはお見通しかよ、めんどくせー。

今もまだ、別に本当は好きでもないサスケに言い寄る振りをして単にサクラとのじゃれあいを楽しんでいるいのにチラリと目を向けながら、
(あの野郎俺にだけ説明させるつもりかよ)と出掛かった言葉をかみ殺して盛大な溜め息をついた。

遠くのほうでいのがご苦労さんと言わんばかりにニヤリと不敵な笑みを浮かべていた…


((…で?結局何なんだ?))

((あぁ、助っ人の件だが火影様に頼まれたってのは嘘じゃねぇぜ?))

((綱手から……?))

((ほら、火影邸っていやぁ四六時中他国の忍が火影の首を狙ってウヨウヨしてるじゃねぇか))

そいつらからうちは一族であるサスケを護衛するにはお前一人より俺らが一緒に居た方が何かと便利なんだとよ。

シカマルは、また面倒な事引き受けちまったと言い再び溜め息を零した。

途端、ナルトの機嫌は一気に急降下。

だってそれじゃあ

((まるで俺一人じゃ頼りないみたいな言い方じゃねぇかよ))

綱手の野郎なめやがって…

ナルトからはじわりじわりと殺気が滲み出していた。どうやらそうとう癇に障ったらしく、今にも綱手の所へ行って一騒動起こしそうな勢いだ。

その嫌な予感が現実のものとなるのも時間も問題と思い、シカマルは慌ててナルトを宥めにかかる。

コイツの殺気がサクラにでも届いてみろ、間違いなくサクラは気絶だぜ…めんどくせー。

多少慣れている自分でさえ彼の殺気に中てられそうなのだ、経験の無い彼女はまず間違いないだろう。

そんな事にでもなったら本当に面倒だ、とその後考えられる事後処理の数の多さをその優秀な頭脳で瞬時に弾き出したシカマルの顔は真っ青だった。


((ほら!お前昨日も暗部の任務入ってて寝てないんだろ?だから火影もお前の体を心配して気を遣ったんだろうよ?な?))

だからその殺気をしまい込んでれ頼むから!焦

((え?あ、あぁ…お前がそこまで言うなら…))
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