‡参之巻‡

□黒蜜
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何度溺れそうになったか‥


けれどそれでも自分が自分を見失わずに済んだのは、

いのとシカマルがいてくれたからで。


三代目の亡き今 どうでもいいと思っていたこの里を今でも守りたいと そう思えるのは、

サスケがいてくれるからで。


だから。



「こんな所で何をやっている、エイ」


貰うばかりではなく。

自分にも、何か、与えられるものがあるのなら、


「今夜は冷える。帰るぞ」


与えてやりたいと 思える。






忘れては 駄目だ。

けれど それに縛られていても駄目で。

感情を保つのは酷く難しいけれど。


一人ではなかった。

以前はそうであっても、少なくとも今は。

一人ではないから。


「聞こえなかったかの?エイ」


帰るぞ。


そのことに気付いて欲しい。

この意味、分かる?



「総隊長‥」


その後の言葉は続かなかったけれど。

知らずに過去の自分と重ねて見ていたその姿は、少しだけ、以前よりも逞しく。

だって。


『お前は一人じゃないよ』


忘れない覚悟が、今、此処にあるから―‥









《了》
――――――――――――
絡みが少ないのはご愛嬌。(…)
管理人的スレナルはどんなに強くても、その分弱い所を持ち合わせた人間味のあるキャラです。
怖いという感情だって始めの頃はあったし、支えが無ければ壊れることだってあるだろうし。(恐ろしく自論)
少しだけ過去に触れてみたり。
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