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□愚者の楽園へ 10-12
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愚者の楽園へ 10


 |ホワイト・ライア|01|
 :white lier

 

  [teller]
  ⇒ GINTOKI















  呪文は
  5日目に
  効果が切れた




空が未だ未だ明けやらぬ夜の真っ只中、 実際降ってもいない雨音で目が覚める。






  罪悪感が




  人の心を
  駄目にする




  活性酸素を
  産み出し
  細胞を傷つけ



  脳を
  狂わす















ダダっ広いだけの、 平らで乾いた砂っぽい大地の上に真っ直ぐ一本伸びた道を横切って、 分断する断層。

漠然と、 飛び越えれんだろと思ってたのに、 近寄ってみたら考えてたよか広く深く抉れてた。



 亀裂の向こう


 砂塵に吹かれる
 群像

 同じ様に風から
 瞳を庇いながら
 同じ景色を
 見てんのに


 向こうへ行けない









そんなね

ちょっと枯れたロードムービーみたいな、 格好付け過ぎたクッサいシーンが浮かんだ。 脳味噌のどっかで…




ぁア…
今さっき
夢に見たんだ











  違うのは
  アレだよ
  結局




 “ 罪の意識 "



  0.1でも有るか
  ソレか、ゼロか…









  ボーダーが
  引かれるのは
  誰の前だろう





  自分は
  どっちに
  居る?




















呪文の効果は
4日続いた




5日目


雨の音で浅い睡眠から覚醒する。 瞼開けて目を懲らしても辺りはやたら暗いし静かだし。 雨なんか降っちゃいねぇし。

ブーブチューブ(TV)点けて朝は未だ遠いと知る。




ムカっとする
イラっと来る
不安になる




 だけど



有り難い熟睡が
癖になっちゃ
いけない

俺にコンマ1でも
罪悪感が在んなら

在る側に
立っててぇんなら



メロゥな熟睡に
慣れちゃ駄目だって
僅かな罪悪感か何かが
戒めてんだろーよ

多分









ソレでも
俺に

罪悪感を溶ろかし
排泄させちまう様な
聴き心地の良い
甘い呪文を
掛けてくれたあの

罪悪感を全く
持ち合わせねぇ奴へ


礼くらい
言ってやっても
良いか…




なんて
思ったりはした










  お陰で


  ここ何年かで
  いちばん
  どっぷり眠れた
  4日間だった



 って……

















¨


photo:
Chino
*sunx

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