⊂day-to-day⊃

□ Tokyo Go-Go 1
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No.137
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東京ゴーゴー
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  東京ゴーゴー
  [#010] go slow

  







目を瞑る。
何を思い出す?


オカシーんだけど、 じーんと来た思い出がある。 昨年の11月東京から40〜50キロ離れた工業都市の環状線で妙な偶然に気分が救われた出来事があったの。 曇天、 見知らぬ土地、 渋滞、 それだけが原因じゃなくて小さな4WDを運転してた私と助手席の父はその時凄く気持ちが沈んでた。 大袈裟に言えば私は将来に悲観してて、 父は将来に悲観してる私を見て悲観してた。 ここ数年で1〜2位の気分堕ち具合だったかも。 悲しいってのと気分が堕ちるってのは似て否なるモノで、 さっき悲観って記したけど途方に暮れる感じに近かったかもしれない。



曇天
見知らぬ土地
渋滞
嫌な出来事
曇天
よく知らない道路
自動車だらけ
これからどうしよう
小雨降りそう
暗い空
暗い道
暗い未来
暗い父
もっと暗いあたし



もーねーとっても暗かったのね雰囲気最低。 そしたら押し黙ってた父がフロントガラスの向こうを指差して言ったの「アレなに」。

 

クマ。


クマがいた。


いつから同じ車線にいたのかわかんないんだけどすぐ前を走る習志野ナンバーの小型車のガラス越し、 クマの縫いぐるみがこっち向いてた。 クマがカードを持ってた。 視力弱い父が聞く「何が書いてあんの?」。





 『あくせくしても
  仕方ないですぜ』











………


………“ぜ”!!??


ってクマがっ!?
……クマさん!!








ありがと笑った
あの時。

今もちょくちょく
落ち込みますが、
目を瞑ると思い出して
可笑しくなります。

毎日理不尽だって
泣き出したかった。
責める相手も
いないのに。

でもいーの。
もう終わった事。
結局わたしは
生きてるし、



いつかわかる。




誰かがわたしに
優しかった事とか。













¨
Feb.3rd.06


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