⊂day-to-day⊃

□ Tokyo Go-Go 1
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  No.150…1
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東京ゴーゴー
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  東京ゴーゴー
  [#017] ordinary

  






caution! :
This miscellany
is fiction








女の子達はみんなキレイだった。 歳もほとんど同じ位なんだろう。 呼ばれる迄は結構暇な仕事だと口々に言ってた。 1日の大部分の時間をショールームみたいな明るい室内で思い思いにダラっと過ごして、 朝になったら数人ずつ寝室行って布団敷いてザコ寝。 印象的だったのは爪の色。 テカッとカラフルな爪は一人一人皆違う。 誰一人同じ色じゃない。

大体いつも同じ数人で固まって行動してた。 シフトの関係なんかで。 だから特別凄く気が合うとかってんでも無くただいつも同じ様なメンツで一緒に居た。 けど同じ年代の、 しかもどのコも似た様な成り行きで其処に居たから結構一緒に居るうち仲も良くなる。 店の支配人は女の子達が親しくなるのを嫌がってた。 ホラ、 団結すると女は強いし文句ばっか言うし面倒臭いし…まあそんな理由だったんじゃないかと。
それで入る前に皆一応注意事項を言い渡される。 自分の素性や本名を誰にも教えないケータイ番号も教えない誰にも。 守らないコもたまにはいるけど、 そのチャチい指令に従ってたコのが多い。 彼女達自体が元々そんなに自分自身の素性を周りに言い振らしたいとは思っちゃいなかったから。

嘘をつく。 歳も出身地もテキトー。 どう見ても二十歳そこそこのコが子供3人一番上はもうすぐ10歳とか言ったりね、 故郷はコリアだってコがハングル読めなかったりね、 バレバレの嘘を付き合って会話を流しながら、 それでも暇な時間に付き合ってる男の変な癖の話や小さい頃やった遊びの話とかしながら女の子達は一緒に居た。



気性の明るいリリの話は、 始終グッルキンで大金持ちの年下のカレシの自慢話なんだけど、 声と雰囲気の元気良さに聞いてて場が救われる様な気分になる時と、 いい加減鬱とおしくなる時が在る。

エイダにはリリの話は半分くらいしか理解出来なかった。 言葉が違ったから。

みーんな真昼の太陽からは縁遠くって、 日サロで焼くコもいたけど殆どのコが色白だった。 中でも白い肌色のエイダの手足の先、 半透明のドロップみたいなピンクのマニキュアの色が目に入る度、 スゥは子供の時に自分や人形の指に塗ったオモチャのマニキュアの小ちゃい瓶と強い香料の匂いを思い出してた。


リリのいつものカレ話が長く白熱し出すとだんだんエイダは部屋の端っこの方に離れて元々半分しか解らない会話の輪から抜けて行く。 スゥはいつもマニキュアの色を追いながらなんとなくそれを見てた。 そしていつの間にかスゥもエイダの隣に座ってた。





































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