03/16の日記

21:31
196-1
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⊂day-to-day⊃
  No.196…1
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⊂ backyard ⊃
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都市伝説と
PSI現象の
狭間に
1ケの
話が在る
[18]

breather 2






Breather
・ 集スト的 小咄 ・










[ 夕 暮 れ ]





今日は車での追尾に仮り出された。 車での追尾は大抵2人で行くのだけれど、 本日は電子機器も積んでの心理状態の調査を兼ねた追尾だったので4人で行った。 何時ものようにわざとターゲットの前に何台もの仲間の車を走り込ませ、 良い具合いの渋滞を作って、 ターゲットの心理状態を探ろうと思っていたのだけど、 何と心理状態を計る機器類が急に壊れて、 ただターゲットの後ろをタラタラ着いて行くだけになってしまった。 ターゲットの女は取り立てて目立つタイプではないが、 何だかよくわからない特殊な力があるらしい。 バカバカしいので自分はあまり信じてはいない。 どうせ何かの偶然でも重なったのだろう。

車を追尾する途中、 あまりの渋滞に飽きたのか、 彼女はふっとバックミラー越しに、 すぐ後ろの自分たちの車を見た。

“車両追跡時、 追尾対象車両の運転手または同乗者 (つまりターゲット) がこちらを見たら、 視線を外さなければいけない”のマニュアルに則り、 視線を外し無理矢理外を見た。 自分を含め全員が一斉に外を見た。

でも自分は運転をしなければならない。 外を見っぱなしの状態では運転出来ない。 ので仕方なく前を見たら、 まだバックミラーに視線を留めたままの彼女が笑っていた。 多分、 後ろから追尾してくる男たちが一斉に視線を外したのがおかしかったんだろう。 こちらを見られたら視線を外さなければならないから、 仕方なくまた外を見た。 思いきり脇見運転だ。 彼女は適当に前を見たり後ろ見たりしてりゃ良いんだから運転に支障はないだろう。 けどこちらは前向く度にバックミラー越しに目が会う、 すぐ外を見る、 の繰り返し。 危ないな、 脇見運転させて事故らせる気だろうか嫌な女だ。

そのうちターゲットはハッと怪訝な顔付きになり、 その後、 一度もバックミラーを見ることはなかった。

その嫌な女の事が気になり、 さっきその女が自宅のパソコンに着けている日記を勝手にハッキングして公開している、 自分らの同僚が作った情報バンクにアクセスし、 彼女の本日の日記を読んで茫然とした。




『 ○月○日

今日は夕方買い物に行って、 変な車に後をつけられた。 ふつうのセダンなのに中にぎゅうっぎゅうに人が乗ってた。 あんな乗ってたら定員オーバーだろうな…と思っていたら、 運転席と助手席の男の間に座り込んでいた女の人が、 両脇の運転席と助手席の男を指差して、 両手でクルクルパーってゼスチャーをしたり、 後ろの座席の男の膝にいた小さな子供たちまで前に乗り出してきて、 運転席と助手席にいる男の人たちの首をしめたりしはじめた。

車内の男たちは、 はしゃぐ女性と子供たちを丸きり無視してそっぽを向いている。 それでも女性と子供はケラケラ笑ってるからふざけてるんだろうと思った。 ら、 いきなりフッと席から女性と子供たちが消え、 次の瞬間その車のボンネットの上に座り込んでいた。 恐くなって心の中で「こっちには来ないで」って頼んだ。 そうしたら女の人と子供たちは、 全然恐くない表情でただただ悲しげに「この人たちに仇をうってほしいのね」「殺された」「苦しかった」と。 悲しくて涙が出そうになった。 』






日記を読んで、 もうこの仕事を手伝うのは辞めよう、 と思った。 自分の家族に会いに、 すぐ家に帰ろう。



それは、 3年くらい前だろうか、 追い込み活動中に盗撮カメラの前で死んだ女に違いない。 親子無理心中したニュースで当時は少しだけ騒がれた。 若すぎた母親が追い込みをかけてる自分達へ向け最後に言った言葉は、 ある場所も知らない筈のレンズの方向を向きカメラ目線で「おめでとう」だった。 そのままカメラの前で首を吊った。 あの時、 子供たちは無理心中に見せかけて、 自分達が殺した。










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photo : Coto
…sunx.

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