【NARUTO/鋼 】

□【 地 位 】 《ロイ単独思考》
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久しぶりの家族団らんアフタヌーンティー。






父親ガルシアは軍所属であり、元々家を空けることが多かったが、この1年前より兄のリチャードも軍部への入隊が決まり兄との再会も1年ぶりだった。










「それで・・・・どうなの?軍職の方は」

1年ぶりに見る息子の顔を見つめるこんな嬉しそうな母の顔、こんな顔はなんて久しぶりなんだろう。




「う―ん・・・やっぱり軍職は難しいですよ。学業と違い、頭で考えて行動するばかりが正しいとも限らないし。」

「・・・・・だが、この1年で第1軍曹から准尉とは栄誉だ。スコット・ピーターソン大将もお褒めになっていたぞ。私も鼻が高い」

珍しく顔を綻ばせるガルシア。



「ええ、まぁ自分なりの出来る事をやってるまでですよ。新人入隊して手を持て余している様ではいけませんからね。」

そんな会話を幼いロイはつまらなそうに既に食べてしまったパイの残りの端切れを突付きながら聞き流していた。
そんな2番目の息子に気づきもせず、相変わらず長男の軍での話を続けるガルシア。











「ロイ!お前リトルリーグで大活躍だったそうじゃないか!母様に電話で話を聞いたぞ!聞かせてくれよ!」

話が少し途切れたところで、リチャードがロイに明るく話をおとしてくれた。



母も嬉しそうに、リチャードに向けていた笑顔をロイに移す。


「そうなのよ、あなた。この子ったら大好きな野球でね」

「母様―!母様に聞いているんじゃないよ!・・・全くもう」

「あら・・・ごめんなさい、つい」


両息子の活躍に嬉しさ余り口数が多くなってしまい“ホホホ・・・”と思わずはにかむ。

リチャードの振りで場がとても和やかになり、躊躇っていたロイはやっと口を開いた。



「―僕、やきゅ・・」
「で?学業の方はどうなんだ?ロイ。そんな玉遊びばかりに現を抜かしていたら兄さんの様になれないぞ」

ピシャリと言い切られて押し黙るロイ。


「兄さんはお前位の時に常に首席だった。――なぁ、リチャード。」

再び話が戻ってしまい、ロイは下を向くと母はそんなロイに気を使いながらもガルシアの話を聞いている。




「― ・・・ロイ」

「・・ロイ、 久しぶりにキャッチボールやるか!」

父と母の話の邪魔をしない様、折にリチャードが表に行こうとばかりのジェスチャーをした。
ロイは大きく頷くと、ダイニングを兄と一緒に飛び出した。







 

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