【NARUTO/鋼 】

□【 地 位 】 《ロイ単独思考》
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―――バシッ!




「・・・・・くぅぅぅ〜っ、痛〜っ お前、良い玉投げる様になったなぁ!」

ロイの投げたボールを受け止めたリチャードは痛そうに手を振った。




「兄さん、久しぶりで体鈍っちゃったんじゃないの?」

「なに〜?!言うようになったじゃないか、ヘンリージュニア!」

無邪気に笑うロイの笑顔に先程の曇りは無く、兄とのキャッチボールに没頭していた。




「・・・代打変わってロイ・マスタング、ピッチャー投げたボールを・・・打ちました!!大きく弧を描いたボールは―・・

入ったぁ!入った、ホームランです!!」

そう叫びながらリチャードはロイの周りを走り当時のロイの活躍を想像しやって見せ3ベース分走って
元居た自分の居場所に戻ってきた。





「・・・見てみたかったな、お前の活躍ぶり!」

オーバー過ぎる兄の話し振りに思わず、


「そんな凄いもんじゃ・・・」

と謙遜するロイだったが。




「バカ言え!俺だって、そんな男一番勝負の所でホームランなんて打ったこと無いぞ!」

まるで自分の事の様に嬉しそうにロイにガッシリと肩を抱きかかえてくる兄リチャードの言葉に嬉しくなり、“ヘヘヘッ・・”と素直に兄に抱きついた。




「そんなお前にプレゼントがある」

部屋に戻る途中で、ふと兄が“ちょっと待ってろよ”と自室に消えていき、再び姿を現すと後ろ手に隠していたモノをロイの目の前に差し出す。



ロイは受け取ると、嬉しそうに隣の自分の部屋に駆け込み、ベッドに座ると包まれている包装を破り捨てた。







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