創作小説

□私流恋愛論
1ページ/4ページ

俺はさ


君と


離れたくない


なあ


お前はどうなんだ?






私流恋愛論







「ヨシトォ、雑誌見たよ。超格好ヨカッタァ…」
媚を売るような目。纏わりつく腕。甘ったるい声音。そしてさり気なく熟れた色香を発する仕草。
どれをとっても城谷嘉人にとっては嫌いなものにしか入らない。
それでも、笑顔で「ありがとう」と返す辺りはかなり彼女想いだと思う。
モデルをやっている自分にとっては笑顔を作ることなんて造作も無いことなのだが。だからと言って、それが疲れないわけが無い。あとで、思いっきり癒してもらおうと思いながら、嘉人は適当に女をあしらった。
「ねぇ、ヨシト。今夜部屋にいらっしゃい?」
高校生なら扱いやすいが、それ以上になると扱いが難しい。
今回も案の定、二十代後半の女王様系な女が誘ってきた。この手の女は逆上させるとヒドイ目に遭う。どんなヒドイ目かと言えば、まあ第三者ストーカーとかだ。
そして数多くの女を落として来た嘉人が思うには、年齢を増すごとに体の関係を求めてくる奴が多くなるのだ。逆に貞操観念が強くなるのもいるのだが、大抵の場合ヨシトと寝れば自分に箔が付くと思っているやから多いからそんな事は滅多にない。
体の関係を求めてくる女には興味が無い。
頬や手の甲にキスくらいならまだしてもいいと思うが、それ以上を望む女は容赦なく切り捨ててもいいと思うくらいだ。
それをやってしまうといろいろな事情が出てくるために丁重にお断りするのだが。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ