ものがたり

□第1話
1ページ/1ページ

  



眩しい世界の中にあるのは、
真っ黒な世界。

目を細めるような白い視界の中で、ただただ時の流れに身を任せてるだけ。



――私は、儚くていいかな。


儚い命が、いい。
その代わり、
大切に、大切に、生きてくから。




『―――それじゃ、行こうか』

「あぁ、行ってこい」

『随分と素っ気ない。』

「知るか。お前が決めたことだろう」

『まぁ、そうだけど、』

「高みの見物でもさせてもらうさ」

『ギャグ?』

「どこがだ」

『――じゃあね』

「あぁ」




それが、例えば、間違っている選択だったとしても、私は、儚くありたい。

その脆さに、きっと…生きる美しさがあるんだろうと思うから。



“あれ!?梓は!?”
「遅かったな」
“…行っちゃったのか!?”
「お前はどうせ行かねぇだろうが
見送りとかでもしたかったのか」
“いや、違うけど…”
「お前には分からねぇよ」
“観世もだろ。僕も…だけど”




この世界は眩しいほどに明るくて…真っ暗だ。

私は、例え狭くても、明るい道へ行くよ。















  
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ