Zone A

□episode36
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『・・・鍵、3つ。窓、無し。』



独房の中に入って、どれくらい経つのか。
恐らく、半日も経ってないだろう。

けど、時間を示すものが無い。
その上…光を灯すものも無い。



『ラリって死ねってか。』



いくら何でも酷すぎる。
一思いに首を刎ねてくれた方が楽だ。

…楽。
だから、それは無いのだが。



『うーん……ごはんの時まで待つしかないかな。』



この部屋を出れば、後は簡単だ。
それまでの数時間…それが辛い。
だけど、それを我慢出来れば…



『出来るかな、私。』



拷問にまで免疫がある訳じゃない。
でも、頑張るのだと決めたのだから。



『あー…頭がいたい。』



銃で殴られた後頭部からは、やはり出血していた。

そこまで大量に出てはいないのだが、何も無い部屋で、何もする事が無く、ボーッとしていると、その痛みだけが嫌に現実に感じる。
あとのものは、夢のようだ。



・・・実際、何も罰せられる事はしていないのだから。



部屋の片隅で、膝を抱えたまま座り込んだ。
壁に頭を預けて、目を閉じる。



『――疲れた。』






  
 

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