Zone A

□episode54
1ページ/1ページ

  






「ふーん?」





遠く、離れた場所に、少年のような姿。
髪は長く、素足のようにも見える。


背中まで伸びる髪が、風に靡いている。
少年は肩を揺らして、笑う。






「随分、長い時間帰ってたんだねぇ」


「エンヴィー、」
「何だよ?」
「早く行きましょ」
「いやいや、もう少しだ」
「何が?」

「あと少しで掴める」





エンヴィーの後ろに急に現れた女性は、腕を組み、呆れたように大きな溜め息をついた。





「全く――」
「良いだろ、別に。」

「……そうね。私には関係無い任務だったわ」





変わらず楽しそうな口調のエンヴィーに、女性は姿を消した。


何を言っても無駄だろう。
やるべき事さえやってくれれば問題は無い。





「もう少しだ。だろ?」





心底楽しそうに、声をあげて笑う。

そして、エンヴィーも姿を消した。





















  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ