拍手で使用した小説
□闇に降る雨
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。
貴方を知り尽くすことが譬え可能だろうが不可能だろうが
満たされる日がくるはずもない
「仁王」
「なんね?」
「…呼んだだけ」
ふりむくことさえしてくれず、ただ手元の知恵の輪を貴方はくるくる弄ぶ
知ってるよ、そんなものとっくに解いちゃってること
恨めしいことを思いながら、仁王を見つめる
ガタン
椅子の音、ひとつ
重なる影を期待してたのは私だけじゃなくて
そんなことにいちいち感動して嬉しくなる
「構ってほしかったんやね?」
「…うん」
体が生きてる限り
傍に置いておいて
。