モノ置き場

□迷子ニナッテル
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少女はつぶやいた。

「もう少しこの時代−トキ−を生きていたい」と。

それなのに、カミサマは其れを許してはくれなかった・・・



ユメを、見ていたいんだ。残されたときがもう少ないのが、分かるから。






公園に一人きり。周りには誰も居なかった。

動物さえも。

動いているのは、秒針と自分だけ。

聞こえてくる音は、秒針の時を刻む音と自分の息使い、そして町の中のざわめきだけ。

そのざわめきさえも、さっきからあまり聞こえなくなっている。





「あーあ、こんなに遅くまで部活やってんじゃなかった・・・」




公園の近くを一人きりで歩いていた亮子はつぶやいた。

後輩たちはもうとっくに帰っている。

「近道でもしてかえろうかな・・・」

そう云うと亮子は公園の中に入っていった。





「なっ!!ラザフォード!!」

亮子の入っていった公園で、ただ一人で立っていたアイズ=ラザフォード。

「ああ、リョウコか」

亮子の声に、答えるようにアイズが云った。

「私じゃ悪いかよ・・・ってか何でこんな所にいるんだよ有名人さん」

「ヒマだったから・・・」

その言葉に亮子は、「(ヒマだったら居るんですか・・・有名人さん・・・)」と、心の中でツッコんでいた。

「リョウコ、おまえはこんな時間まで何をしてたんだ?」

アイズが、心の中でツっこんでいた亮子に問うた。

「ああ、クラブだよ・・・って早く帰らなきゃ」

遅くまで部活をしていたので、早く帰ろうとしていたことを突然アイズが現れたことにより忘れていたことを思い出した亮子は、慌てだした。

「急いでいるのか。」

見れば分かるだろうに、アイズはそんなことを聞いてきた。

「見れば分かるだろ。あんまり制服で遅くまで歩き回ってると怒られるんだよ」

只でさえおっかない先生に目を付けられているのに、と心の中で呟く。

それはひとえにこの血のせい、だ。

良くも悪しくもカリスマ性のある人間は目を付けられやすい。

「リョウコ。ちょっと話がある。だから俺のホテルまで来い。それなら怒られないのだろう?」

アイズは、突然そんなことを言い出した。

「やだね。誰がアンタなんかと・・・」

しかし、其れを言い終える前に、亮子はもうアイズに連れさらわれていた。




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