・小説

□唇
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「アレ〜ン〜。」


「ごめんなさい…。」


「オレがやるって言ってたじゃないかぁ…。」


「…はい…。」


大きな大きな溜め息をラビはついた。漫画みたいな典型的な呆れ顔をしながら。


「ラビ…ごめんなさい…。」


また僕はごめんなさいと繰り返す。ラビは


「どうやったらこんな風にできるのさ…。」


とブツブツ言いながらも僕のキズだらけの手に薬を丁寧に塗ってくれている。


「ボタン付けはオレがやるって言ったろ?」


「だって…ラビに迷惑かけたく無かったんです…。」


向かい合いながらラビの部屋のベットに腰掛けている僕とラビ。薄暗い部屋に気休めのランプが申し訳なさそうに灯が灯っている。


「オレは迷惑だなんて思ってないさ…。」


「でも自分の服のボタンくらい…。」


自分でやりたい!と言う前に


「アレンは不器用なんだから…。」


この怪我をみてから言え!とばかりに鋭い目線をラビは目の前の恋人にむける。切り傷…擦り傷…打撲…器用に怪我だらけのアレンの手。一体どんな風にすればこうなるのだろうか。


「任務から帰って来てアレンがこんなに怪我してたらオレすっごいイヤさぁ〜…。」






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