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□空気
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それは
好きだとか嫌いだとか愛してるとか……そういう感情でなく。
唯々いつも当たり前にあるモノで。
いつもはあっても気にならなくて、でもいざなくなると途端苦しくなって死んでしまう。
───空気…
俺の周りにあった空気が無くなった日。空気の替わりに紫煙が肺を覆った。
苦しくて苦しくて……空気がなくなった分と煙に耐えられなかった肺の分で涙が溢れた。地面に染みを造る涙の傷跡を雨が流していく。
打ち付けんばかりに降り注ぐ雨がすべてを流してくれればいいのに、空気が消えた俺は呼吸困難。
あってもなくてもな存在がなくてはならないモノだと気付いた日。
あれから一年。
煙の人工呼吸器に頼らなくても前より苦しくなくなった。
それでも空気がなくなった俺は時折息が吸えなくなる。
好きだとか嫌いだとか愛してるとか……ホントはその内のどれかだったのかな?
アスマ………
俺の堪えきれない涙を
───雨になって降り注いで覆い隠して下さい。
2007.10.23.拍手にて。