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□ありがとうの日
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「へいおまち!!お前さんは誕生日祝いでサービスな」
トンッと置かれたラーメンにはカニがどっかり乗ってた……
一楽のおっちゃんまでなんで知ってんだ?
「……どうしてみんなして誕生日知ってるんだ?って顔してるなシカマル?」
イルカ先生が笑いながら聞いてくるから豪華なラーメンを啜りながら目だけ上げてコクリと頷く。
「お前の親父さん…シカクさんがこないだ酒の席で話してたぞ?まぁ俺はお前の担任だったから知ってはいたが、みんなに絡みながら随分感慨深げに語ってたからな…」
「俺はラーメン食いに来たシカクさんに聞いたぞ?あれは色んな所で喋ってると見た」
…そう言う事か……
イルカ先生に続いて言う一楽のおっちゃんの言葉に偉く納得して、ラーメンを頬張ってモグモグしながら顔を上げて二人を見る。
親父の顔の広さが恨めしいぜ……
「オレもさオレもさっ!!シカの誕生日だからプレゼントあんだってばよ!!」
俺に便乗してイルカ先生に味噌チャーシュー大盛を奢ってもらって食ってるナルトが箸を止めて、ポケットからクチャクチャの紙を出してソレを渡される。
一楽ラーメンタダ券5枚……
「ホントは10枚くらいやりたかったんだけど金欠で無理だったんだってば…今度一緒に行こうってばよ!!」
ラーメン食ってる時にラーメンのタダ券とか…
まぁナルトらしいよな……
『ありがとなナルト』
「………可愛いってば…////」
思わずニッコリ笑えばそんな事を言われる……
なんだよイルカ先生と一楽のおっちゃんまでこっち見やがって…そんなに珍しいかよ俺が笑うのιιι
『…あのな……そう言う事は女に言えっていつも言ってんだろ?面倒くせぇ誤解されたらどうすんだよ』
「……オレってばシカの事…ΣΣぐぇっ!?」
「何抜け駆けしてんだナルト!!…よぉシカマル〜♪探したぜ!!」
『……よぉキバ…つかナルト大丈夫か?』
何かを言いかけたナルトの後ろからキバが飛びかかって来て押し潰すように体重を乗せて、こちらに向かって手を上げて挨拶される。
「シカちゃんに渡したいモンがあんだ…っと。はい誕生日おめでとう俺からの気持ち受け取ってくれるよな?」
『…ありがと……』
「…キバいい加減退けってばよ!!」
キバはリボンの掛かったラッピングのキッチリされた包みを渡すとナルトとギャンギャンじゃれ始める。……から放って置く。
そうだった。のんびりしてたら日が暮れちまう…
俺宛てに届いた小包みを思い出してラーメンを一気に頬張る。
『……イルカ先生ご馳走様っした。…一楽のおっちゃんもキバもナルトもありがとな。俺行くとこあっからこれで』
「待つってばよオレもついてく…」
「まだ全然話してねぇじゃんシカマル!!ナルトが行くなら俺も行くからな!!」
「おい…あんまりシカマルに迷惑掛けるんじゃないぞ〜?」
イルカ先生が手を振って見送ってくれたんで、ナルトとキバはブンブン手を振り返して俺は手を上げるだけで応え再び歩き出した。