■同色■
□色々
1ページ/8ページ
「良郎くん、これ良かったら食べてくれない?
お中元でゼリーのセットを貰ったんだけど、食べ切れなくてねぇ。」
泉と二人、俺の家に帰る途中。
仲良くしてもらっている近所のおばちゃんに、大き目の容器に密封されたゼリーを貰った。
「一個しか無ぇじゃん。
……浜田、食うなよ。」
「酷っ!!
せっかく俺が貰ったのに!!」
去っていくおばちゃんの後姿を見守ってから、泉は俺の手の中にあるみかんゼリーを物欲しそうに見つめる。
「せめて半分こにしようよ!!
全部泉に奪われたら、俺、可哀想!!」
「ったく、しゃーねーなあ。」
泉がしぶしぶ俺の提案に乗ってくれたので、俺は蓋の部分を歯でギッと引っ張り、ぷるんと震えるみかんゼリーの封を開ける。
「ほら。」
「ん。」
ご丁寧にもプラスチックスプーンまで付属として付けてくれたおばちゃんのご好意に感謝しつつ、俺はスプーンでゼリーをすくう。
そして、男らしく大口を開けて待つ泉の赤い口内めがけてみかんゼリーを放り込む。
「…………。」
「…………。」
無言で泉、俺、泉…とエンドレスでゼリーを食べ続ける。
時々、スプーンに付着したゼリーのかけらが唇に付くようで、泉は唇をぺロリと舐める。
そんだけの事、なんだけど。
無性にドキドキしている自分が居る。
小さい頃から分け合いの精神でアイスとかを半分こして食べていたけれど、なんだか最近そういうのとは違う意味で泉に食べ物を食べさせてあげている気がする。
「???
浜田、次、俺の番。」
「あ、うん!!」
一口、二口、三口、と泉の喉をゼリーが通るたび、幸せなような、もどかしいような、切ないような気持ちに襲われる。
カップから消えていくみかんゼリー同様、俺の心はどこか空っぽ。
fin...
御題『積み重なった些細な事々』より
付き合う前のハマイズでござる。
恋心?を持った浜田の葛藤?みたいな感じ?
("?"多いな)笑
ちなみに、「みかんゼリーはえろい」と言い放ったキミの思考回路が私には理解できません(笑)
お姉ちゃんは、電話や蜂蜜の方がえろいと思うよ!!
趣味丸出しだけどネ!!
以上、久しぶりのハマイズでしたー。
来週は「相合傘」でヨロシク!!
.