■同色■

□恋愛論者
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 犠牲者がまた一人。


 たとえお前にそんなつもりがなくても、
お前という存在自体が周りのもの総てを



狂わす。


籠のの鳥




ーーーーーーーーーー----


「…っはぁ、…っっ!!!」

荒い呼吸。高まる熱。
今こいつが自分の下にいるという征服感。

 俺の中で感情が蠢く。


「も、うき……」

 子龍が切なげだけれども、切羽詰まった声で俺を呼ぶ。

 また感情が蠢く。



ーーーーーーーその瞳は俺以外の姿を写すのか。

ーーーーーーーその唇は俺以外の名を紡ぐのか。

ーーーーーーーその体は俺以外に触れられるのか。



嗚呼、何もかも許せない。

俺だけを見つめ、俺だけを呼び、俺だけに触れていてはくれないのかーーーーー---

子龍を見れば見るほどそんな感情が、蠢く。



イッソコノママ俺ノ中ニ閉ジ込メテシマオウカ


……理性が、狂っていく。

 そんな気持ちを隠そうと、子龍を抱き締める力を強める。すると、何も知らない子龍も俺を抱き締めかえす。
そして、息も絶え絶えに子龍が言葉を紡ぐ。


「貴方は…私、が外に出ること、を…許してくれるから……。





あ、の方は…私が人前、にいること…を嫌って、いたけど、……。


孟起…は私、を信用して……くれている‥ようで、安心する」

子龍がやんわり微笑む。




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