□healing and reward
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扉をそっと開けるといつものお店が広がる。

そしてちょうど大柄な男もそこにいた。

「黒崎殿、良くぞお越しくださいました、ささ、こちらへ」

丁寧なおもてなしの言葉をかけられお邪魔しますと一言告げ靴を脱ぎそっと居間へ進んだ。

居間には思った通りここの店主(名ばかり)が座って待っていた。

「こんにちは黒崎サン」

「こんちは」

こいつにはなるべく今日は近づかない方がいいなと思い横には座らずウルルの横に座った。

ウルルが少し驚いた顔をしていたがすぐにそれも下を向いたので窺う事は出来なかった。



少ししてテッサイさんがお菓子とお茶を持って現れた。

「うわ、すげぇ・・」

そこには装飾がこれでもかとされていて食べるのが勿体無いほど綺麗な和菓子。

頂きます、といって一口入れると柔らかい上品な甘さが広がった。

「ん、美味い」

と自然と口から感想が漏れると嬉しそうにテッサイさん
がそれは良かったと呟き

それを置いてテッサイさんはごゆっくりと言いそこを去
った、と同時に

速攻で食べ終わったジン太と慌てて食べ終わらせたウルルも一緒に居間を出た。



それを嬉しそうに見ていたのはテッサイさんだけでは

なく。

一気に二人っきりになり、傷の事を気にしながらも

「何見てんだよ、浦原」

残りも美味しく頂いた後、視線がこちらに向いてるのに気付きお茶を啜りながら問う。

「いやーほんと美味しそうに食べるなぁと」

「ほんとに美味しいんだよ」

「でしょうねぇ、テッサイが珍しく自信たっぷりでしたし」

お茶を飲み干し、うんと一つ頷く。




食べ終わった後、浦原の部屋に移動した。

浦原は何やら帳簿の整理をしないといけないらしく俺は縁側でいつものように何をするでもなくボーっとしていた。

まだまだ暑いな・・・

照りつける太陽はまだまだ秋とは呼べない。

庭先に生えている生い茂った雑草を何となしに見ているといつの間に後ろにいたのか

後ろから突然抱きすくめられた。

「ぅわ!・・・・ッ!」

「・・・・?」

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