□キャラメル恋情
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キャラメル恋情



何だか酷く疲れた。

特に疲れた事をしたわけでもない。でも体は気だるい。

疲れが溜まってたのかもしれない。今日は早めに布団に入ろう。

お風呂から上がり、部屋へと続く廊下を歩く。もう辺りはすっかり深夜。家族は勿論寝ている。

部屋のドアを開け、すぐに違和感を感じた。いや、そこには誰もいないのだけど。部屋の空気がいつもと違う気がする。

一通り軽く見渡すが変わったところはない…

ん?

ふと机の上に目が止まる。

「何だこれ」

お風呂に入る前にはなかったものがそこにはあった。

「…キャラメル?」

確かに甘いものは好きだけどこんなもの買った記憶もなければ水色達に貰った記憶もない。

しかし、それはそこにある。

自分が思いつくのは一つしかない。

お風呂に入った時間は約30分。


…もう帰ったか、いくらなんでも。


そのキャラメルのせいか無性に会いたくなった。

本当は自分が忘れただけで貰ったものかもしれないのに。たったこれだけのことで会いたくなるなんて。

もしかしたら来てくれたんじゃないか、さっきまでいたんじゃないかと思うともう後はコンを叩き起こして死神の姿になり、軽くなっ

た体で向かうだけ。

こんな時間に言って迷惑じゃないかなんて普段なら考えただろうけど、今はそんなことすら思いつかない。


ただ会いたくて。


会いたいから。


疲れはキャラメルの衝動で消えてなくなっていた。


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