□2日前の二人st.1
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二日前の二人 st1

浦原の欲しいもの。そういえば浦原の誕生日も近いし。クリスマスと誕生日で繋がったものとかないかな。

考えるとあいつには防寒するものとか必要な気がする。年中あの格好とかありえない。
もし義骸だから寒さとか暑さとか感じないかもしれないようにしていたとしても
(でもしょっちゅう寒いーとか言いながらコタツに入ってきたり、俺に抱きついてきてあったかーいて言ってる時点でそれはなさそうだけど)
傍からみたら見てるこっちが寒い、それでなくとも普段から目立つ格好だというのに。

決めた、クリスマスにはマフラー、誕生日には手袋だ。そうと決まればお店に行こう。
あいつに似合う色のマフラーと手袋、見つかるといいな。

*

おかしい、いつもはもう来る頃なのに。オレンジ色の子供。
自分が起きてくる頃にはもう居間にいるかしびれを切らして叩き起こしに来るかする時間なのに。
元気な子供がいない居間は静かだ。まぁ外はウルルとジン太の二人によって多少騒がしいけれど。
どうしたのかな、風邪でも引いたかな、心配になってきた。
散歩がてらにあの子の家を覗いてこようかな。
うん、そうしよう。



浦原に似合う色…

緑、は緑すぎちゃうし、青、赤、黄、ピンク…
うわぁ…思いついて想像してそれはちょっと、と違う色を考えた。
紫、黒、白…白もいいかもな。グレー、水色、茶、えーとオレンジ…
うわーうわーそれは狙いすぎだろ!
あ…

一人で自問自答してわたわたしていたらちょうど目に止まったものが2つ。

自分の髪の色とほぼ同じといっていい鮮やかなオレンジ色のマフラー。そして隣には一緒に飾られた同じ色の手袋。

…ッ

恥ずかしい、恥ずかしいけど違う方向に視線を変えて他の物を見るけれど最終的にはそこへ戻ってきてしまう。

顔を真っ赤にして自分と同じ色の2つの商品を買っていった子供を不思議な表情で店員さんが見てたとか。

帰り道、別に誰に恥ずかしがる必要なんてないのに何だか持っているだけで恥ずかしさがこみ上げてくるので早歩きでいそいそと歩いていたら
見覚えのある後ろ姿が見えた。

同時にあちらも気付いたらしく(霊圧垂れ流しだし)足を止め振り返りこちらを見た。

「黒崎サン、こんにちは」

いや〜散歩がてらに会えるかな〜なんて思ってたら偶然スね〜もうこれは運命と呼ぶべきッスかね〜と
運命なんて信じてもいない癖にペラペラと話し

かけてきた。

ふとそれがやんだと思ったら浦原の視線が自分の持つ袋にいっていることに気がついた。

「オヤ、買い物に行ってたんスか」

通りで今日は来ないな〜なんて思いましたよと言われて、そういえばいつもこの時間は冬休みだから
大体お昼前から浦原の部屋にいることが多かった。

今日はどうしたのかと、もしかして心配してくれたのか、させてしまったか。

とりあえず一言ごめんと謝った。首を傾げていたけどでも念の為。どうしても今日買いたい物があってさと敢えて何をとは言わず。

ふ〜んとあまり気にしなかった浦原に内心ほっとしつつ、家まで一緒に歩いて帰った。
途中、手、繋ぎましょと言われて最初はもちろんやだと断ったがごねられ周りに誰もいないのを確認し結局そっと繋いだ。
浦原の手は冷たいけどぽかぽかした。


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