□翌日の二人
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翌日の二人



クリスマスの次の朝。まだ少し外は暗い。

目が覚めると外が寒いのかぶるりと身震いがした。

自然と隣で珍しくまだ眠っている男に寄り添いぴたりとくっつく。

いつもだったら恥ずかしくて出来ないけど寒さには勝てないし、寝てるから大丈夫大丈…


「え…」

顔を上げて確認したら、寝ているはずの男と目が合った。

「おはようゴザイマス、一護サン」

「はよ…て!お、起きてたのか!」

「だって可愛い可愛い一護サンがもそもそしだしたと思ったら

ぴたっとくっついてくれるんですもん、起きないわけにいかないでしょ」

「寝た振りしてたんだな」

「あ〜あったか〜い」

「…」

無言でくっついたまま相手の身体に頭突きをしたがあまり効果はなかった。

「それにしても寒いッスね〜昨日も雪降りましたし、もしかしてまだ降ってて積もってたり、して…」

言葉を言い終える前に子供はガバッと布団からはね起きて襖を開けた。



「わ…」

白銀の世界。

「真っ白…」

「黒崎サン、寒いんだからそんな薄着じゃ風邪引いちゃいますよ」

毛布を上から被せられ、少し慌てながら顔を出す。

「さ、サンキュ」

毛布を被りなが

ら雪が降る様をじっと眺め続けていたら、突然雪がふっと見えなくなった。

「な、浦原?」

「何か雪ばっかり見てる一護サン見てたらこっち向いて欲しくなっちゃって」

「は?」

「いやぁ、雪に嫉妬しちゃいましたかね」

「ばか」

「えー一応頭は悪くないのに」

「そっちの頭じゃない」

雪を見ると切なくなる。浦原の昔はどんなだったかとか、やっぱりそのときにも

俺と同じような存在が隣にいたんだろうかとか。

違う場所を見ていたって考えることは全部浦原のことばかり。

「…そんな心配いらないんだばか」

「あー可愛い」

「可愛くない!」

「もうちょっと寝ましょ?」

「お前に早起きは三文の得という言葉はないんだな」

「三文より一護サンと一緒の布団で眠る方がいいですもん」



結局なだれ込むように布団に逆戻りして起きたのは昼過ぎだったとか


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