―Soul linK―

□第一章・邂逅
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「こんな所で油を売っていても良いのですか?クレス」
響くのは凛と澄んだ女性の声。
クレスと呼ばれた青年は気付き、データ式の書物を読む手を止めた。

新人レイヴン「クレス」
身長は170cm程の線の細い青年だ。
その穏やかな風貌からはとてもレイヴン…争いを生業とする者とは思えないだろう。

「まだ、時間はありますよ。
折角ですから、少し話しませんか?
まだ知り合ったばかりですし、信頼関係を気付く為にも、親しくなりませんと。ね?」
純粋な程に澄んだ微笑、平均と比べて細く高めの声。
それらが相俟って、齢20の青年に"幼さ"を印象させた。
「全く…これから人を何人も殺す様な人の言葉とは思えませんね…
これから先、生きて行けるのか心配です」
呆れた口振りでしかし笑顔を浮かべるのはクレスの専属オペレーター・リアナ。
淡い緑の長髪を首筋辺りで双翼を模したヘアバンドで纏めている。
年齢は22、身長は160のスラリとした麗人だ。

「…取りあえず、後50年は生きますね、僕」
つまり、仕事で死ぬつもりはさらさら無い、と。
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