―Soul linK―

□第一章・邂逅
3ページ/25ページ

─*─*─*─


「……ん?」
「どうしました?」
「…僕のACが無い…」
ガレージに着くと真っ先にクレスが疑問符を浮かべた。
彼のAC…と言っても今回が初依頼なので支給された廉価ACなのだが…が忽然と姿を消し、目の前にあるのは無塗装の高機動(であろう)中量2脚。

「驚きました?」
悪戯が成功した時の少女の様な笑みを浮かべるリアナ。
どうやら
「貴女が勝手に組み替えたんですね…?」
「プレゼントですよ♪」
「…何処からACパーツを」
「秘密です」
聞かれる前に答えた。


クレスは近くのアセンブリモニターを確かめる。
まず、光学兵器"のみ"の武装からして。
「修理費だけが支出対象になるアセンブリですか…」
あはは、と乾いた笑い。
さっきからこればっかりのクレスだった。
「実弾なんて無くても戦えますから♪」
お金の為でしょ。
とは言いたくても言えないクレス。
少なくとも廉価ACよりは性能も高い。
そんな機体を用意してくれた事に、まずは感謝すべきなのだった。
「…プレゼントありがとう、リアナさん。頑張りますね」
思いの外、素直且つ直球の礼だったのだろう。
「あ、いえ、あの…」
としどろもどろになり、
「こちらこそ…」
と照れながら良く分からない返事を返したのだった。



そしてそれから間もなくして。
2人はそれぞれACと輸送機に乗り込み、戦場へ向けて飛び立った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ