05

□向日葵+海=ソーダ
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急にアイスが食べたいからスタジオに買ってきてなんてホントわがまま。

しかも季節外れもいいとこよ。今はアイスじゃなくコタツでみかんの季節。


スタジオに向かう前に立ち寄ったコンビニで、あまりに大量にアイスを買い込むあたしをコンビニ店員が怪訝そうに見ていた。

金取るぞコラ。


種類を言わなかったから、あたしの独断で選んだアイス。

がさがさ言わすコンビニ袋内で騒いでいる。
アイスだって自分が必要な季節くらい判るよね。ごめんね、こんな季節に。


夏と違ってアイスが溶ける心配がないから、かなりゆっくりめにスタジオに向かったら、楽斗に「遅い」と怒られた。

無言で睨んで近くのテーブルに袋をどさり。

直ぐ様中を覗いた楽斗が固まったけど気にしない。
あたしがハーゲンダッツとか買うと思ってたわけ?


あんな高いアイス、誰が大量に買い込むか。

一般ピープルなめんな。



同じ袋のアイスを、二人一組で食べる面々。


ソーダ味のアイスで、パキンと2つにくっついているのを割り離して食べる、懐かしいアイス。


結構好きなのよね。
このソーダアイス。


両手を使う作業の為か、お行儀悪くアイスを口にくわえたままの楽斗。


「…ん?」


向けてた視線に気付かれ、自然にスルー。
特に気にする様子もなく楽斗は視線を元に戻した。


…言わないわよ。
その、ただアイスをくわえているだけの横顔が、
妙に魅力的に見えただなんて、絶対に言わない。


白い服とエメラルド色したアイスの組み合わせが、
グッと来ただなんて。

きっと言ったところで同意してくれる人間なんていないだろうしね。


うん。今度は夏にまた買ってこよう。
タンクトップとか着させてアイス食べさせよう。


「………あっ、!」


色々考えていたら、唇に触れてたアイスが溶けて雫になって、手に伝った。

慌てて指を舐めたら、
思い出したいつかの夏。

幼い頃の、夏の思い出。




【 fin 】

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