【SD+】

□好きです!
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それは
簡潔に用件のみを記した1通のメール。
まぁ、所謂お呼びだしで。

仕方ねぇから行ってやるか……
なんて風を装って、オレはすぐさま家を出た。




向かうはもちろん宮城の家。
ベルを押す直前、狙いすましたかのように扉が開かれた。


「待ってましたよ、ドーゾ入って。」

「おう。……は、何?」


顔を出した宮城は、なぜか神妙な面持ちで。
そのうえ、オレの手をぎゅっと握ってきた。


「たまにはいーでしょ。少しでいいからさ、このままでいさせてくんねぇ?」

「ま、まぁ構わねーけど。」


やっぱりだ。
やっぱり今日は、何か変。
そんなこんなで
なぜか手を繋いだまま、リビングへ移動する。
だがオレはどうにも違和感を拭えず、宮城の手を引っ張った。
すると、不服そうに足を止められる。


「なに」

「え。あのよぉ、おまえ……何か今日おかしくないか?」


そう問えば、宮城は微かに唇を尖らせた。


「だって、」

「ん?」

「だってさ、今日ぜんぜん一緒にいらんなかったじゃん。三井サン、1日中みんなに囲まれてるし。」


ぼそりと吐き出された言葉は、至極分かりやすい感情で。

もしかして


「ひょっとして、おめー妬いてんのか?」

「……。」


なんだ、そういうことか。

理由さえ分かってしまえば、あとは愛しさが募るだけ。

だが宮城は無言になり、そのままバツが悪そうにリビングへと足を踏み入れた。
後ろに続いて、オレも扉をくぐる。



すると



目に飛び込んできたのは、思いもよらない光景だった。
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