【SD+】

□はじまりの場所
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興味ない、
気になる。

苦しめたい、
癒したい。

突き放したい、
支えたい。


……アンタを見る度、溢れかえる此の感情。

どれが本物?
どれが偽り?


オレにも、分からない。









【はじまりの場所】








ダムダム……ダム

部活後の自主練中、
ボールの音が軽快に響く。
あぁ、オレの心もそうならいいのに。

生憎、オレの心はタイヘン重苦しかったりする。


「ったくよー、んなムキになんなって!」

「…………。」


聞こえてきた声に、何とはなしに耳を傾けるオレ。


「ふんぬーっ!は、入んねぇぞミッチー」

「貸せ。3Pはな、力んじまったらアウト。リングだけ見て“入る”って確信持って打つんだよ」

「カクシン……?」

「どあほう」

「あぁ!?うるさいぞ居眠りキツネッ」

「今は起きてる」

「……ったく。仕方ねーな、おまえらはよ」


そう言いながらも、微笑んだ顔は嬉しそう。
滑らかにかえした手からはボールが放たれ、パシュッと小気味良い音を立てた。

さっすが、相変わらず綺麗なシュートフォーム。

ぼんやり眺めてたつもりが、うっかり視線を外せなくなる。


「………。」

「あぁ?なにガンたれてんだよ、宮城」


柔らかな微笑みから一転して、
オレに向けられる不機嫌そうな顔。
花道や流川には向けてなかった顔。

それが不思議と腹立たしくて、おもむろに目を反らしてやった。


「……別に」

「はぁ!?みや、」


二の句を次ごうとしたアンタを丸無視して、足元のボールを拾い上げる。


「お疲れッス」


それだけ言って、オレは放課後の体育館を後にした。
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