【REBORN!】
□月迷風影*ゲツメイフウエイ*
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・・・月明かりに消えないで・・・
【月迷風影*ゲツメイフウエイ*】
『は〜〜。それにしてもキレイだったよね!獄寺君』
「はいっ!」
振り向いた笑顔に、こちらまで嬉しい気持ちになる。
『色々、大変だったけどね;』
「そうっすよね!!…全く、ヒバリの所為で!」
『まぁまぁ、雲雀さんのお陰でもあったんだしさ』
…今、オレ達は並んで夜道を歩いている。
みんなで行った祭で、花火を見てきた帰りなのだが…丁度いい具合に、十代目と2人きりになれたのだ。
『〜〜〜〜〜〜〜。』
十代目は色々と話されているが、実を言うと…オレの耳には殆ど入っていなかった。
…くるくる変わる十代目の表情に、心を奪われてしまっていたから…
真っ白な肌に、薄桃色の頬。
――そして、ブラウン色の優しい瞳。
全てが愛おしくて、けれど…触れる事は決して許されなくて。
その時、ふと十代目の表情に切なげな色が混じった。
ついさっきまでは、とても楽しそうだったのに…
思わず心配になり、声を掛ける。
「じゅ、十代目…?どうしました??」
『あのさ、獄寺君。…僕の話、聞いてる?』
十代目はそう言い、少し困った顔をした。
…お、オレが原因だったか…!!;
「すすすすみません、十代目!オレ…ッ」
『ううん。別に、大した話じゃなかったからさ』
「じゅうだ…『ねぇ、獄寺君』
「…はい…??」
『来年もまた、来れるかな…?』
そう尋ねてきた十代目は、とても不安気な顔をしていて…。
月明かりに照らされた十代目が、うっすら輝いて見えた。
そんな貴方が
オレの目には…まるで、かぐや姫のように映ったんだ。
心配なんてしなくても…オレはずーっと、十代目の元から離れませんよ…
たとえ月から使者が来ようと、きっと月までブッ潰しに行くから。
ぽっかり浮かぶ満月の下、貴方をやんわり抱きしめた。
“来年も、再来年も。ずっとずっと一緒ですよ”
・END・