【REBORN!】
□※歪愛
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君は、僕だけの堕天使。…誰にも、渡さない。
【 歪愛 】
気付いた時には、もう遅かった。…僕の前に、倒れ込む君。
『…君なんて、キライだ…』
放たれた言葉が、心に刺さった。
…イタイ…
「クフフフ…君は、おかしな事を言いますね」
『……っ』
ジロリと、僕を睨みつける君。もう、そんなにボロボロなのに…その眼は、未だ強く、怒りの炎に燃えている。
…モット…
そうすれば君は、ずっと僕を見ているでしょう?
憎しみでも、何でもいい。君の中が…僕で占領されればいい。
「僕も君が“キライ”ですよ」
そう言って、口端を歪める。
その瞬間、君は悔しそうに目を見開いた。…同時に、すぐ横に転がっていたトンファーを掴む。
…だが、そんなに易々とコトは運ばせない。
僕は、彼の鳩尾に拳を叩きつけた。
「少し…大人しくしてくれませんか?」
『か…はッ』
ドスリという音と共に…彼の手から、トンファーが抜け落ちる。
そのまま…君は、意識を手放した。
“カチ…カチャン”
「さぁ…お楽しみは、これからですよ」
僕はポケットから手錠を取り出すと、彼の後手に取り付けた。…続いて、長さ1メートル程の鎖を取り出す。
それを手錠に通し…逃げられないよう、ソファの脚にくくりつけた。
――さて…僕の小鳥ちゃんは、いつお目覚めかな?
手には“秘密兵器”を持って、静かに待つ。
…そうして30分後、君は目を覚ました。
『…ん…?』
その綺麗な瞳は未だ半目で…少しポカンとした君は、現状をしっかり把握出来ていない様だった。
「大丈夫ですか?」
言いながら、強く鎖を引っ張る。彼は思いきり後ろのめりになり、驚いたように此方を振り向いた。
『……っ!』
君は僕の顔を見た瞬間…殺気に満ちた表情で、勢いよく立ち上がった。
だが…鎖の長さが足りず、そのまま転んでしまう。
僕はそんな君を笑いながら、静かに覆いかぶさった。
「捕まえた…」
『離…せ』
言いながら、思いきり顔を背かれた。全く…そんな態度が、いつまでもつやら。
「――嫌ですよ」
『〜〜っ、…ん!!』
僕は彼の唇を塞ぐと、ゆっくりと舌を絡めた。
…柔らかくて、少し冷たい…
「!」
嫌な予感がして、慌てて唇を離す。
…予感的中。ガチンと音が鳴り、僕は呆然とした。舌を引っ込めてなかったら、噛み千切られていましたよ。
『……ッ』
「おや、随分と活きがいいですね」
僕は…息を切らしながら睨みつけてくる君を見て、目を細めた。
そう、その眼。今、君は僕の事しか考えられていないでしょう?
…ゾクゾクする。
白い、真珠のような肌。僕はその肌に、吸い込まれるように口付けた。
『っあ…』
首筋を強く吸って、紅い痕を散らす。…君は僕のモノって、印を付けておかないとね。
「肌…本当に綺麗ですね」
そう言って、ゆっくりとネクタイを外す。そのままシャツのボタンを外そうとすると…彼は身の危険を感じたのか、足を振り上げてきた。
…すかさず避け、外したネクタイで彼の両足を縛る。
『…やめ、ろ!』
「――だから、嫌ですってば」
…君が抵抗すれば、僕は益々愉しくなる。
それが分かっていないのか、一生懸命に抵抗する君。
クフフ…無駄、ですよ。
だって、これで君は動けない。
ボタンを全て外し…シャツをはだけさせると、彼の滑らかな肌が露になった。
ツツツ…と胸元を指で辿れば、君は微かに肩を揺らす。
『…あっ』
「クフフフ…可愛いですね」
『……ろす』
「え?」
ぼそりと呟かれた言葉が分からず、彼の口元に耳を近付ける。…すると、耳朶をガブリと噛まれた。
チリリとした、痛みが走る。…そして、今度はハッキリと聞き取れた。
『咬み、殺す…』
――まだ、そんな事が言えますか。
「クフフ…クハハハ!」
『…なに』
君は、顰め面で不機嫌そうな声を上げた。
全く…本当に君は、自分の置かれている立場が分かっていないんですね。
…実に、面白い。
「――いいでしょう」
分からせてあげますよ。
僕にはどうやったって抗えない、って事をね…。