【REBORN!】
□※最高権力者
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放課後の教室…彼、沢田綱吉は鼻歌まじりで椅子に腰掛けていた。
只今の時刻は、午後5時を回ったところ。
山本の部活が終わるまで、あと2時間だった。
【最高権力者】
ツナは今日、山本と帰る約束をしている。
約束と言っても、付き合ってる2人にとっては当然のこと。
暇ではあったが、好きな人を待つのは少しも苦にならない。…と、その時。突然、放送がかかった。
「2年の沢田綱吉くん、至急応接室に来るように。3分以上僕を待たせたら…殺すよ」
(こっこの声、ヒバリさん!?ってか何…このめちゃくちゃな放送;)
ツナは訳が分からなかったが、ヒバリの台詞が恐ろしかったので急いで応接室へ向かった。
(“殺す”って…あの人なら、本当にやりかねないよ)
ツナはトンファーを持って笑むヒバリを想像して、思わず背筋が凍りついた。
「やぁ、よく来たね。…まぁ中に入ってよ」
ツナが応接室にたどり着いた瞬間…自然に扉が開き、ヒバリが現れた。
『ど…どうも;』
ツナが中に入ると、ガチリと鍵が閉められる。
その事に少し疑問を感じながらも、ツナは勧められたソファに掛けた。
『と、ところでヒバリさん。何かご用ですか??』
「いや、特に用はないよ。ただ君が暇そうだったから、お茶に誘っただけ」
そう言いながら、紅茶を渡される。ツナは躊躇いながらも、遠慮がちに紅茶をすすった。
…そこで、ツナはふと思う。
(この人、何でオレが暇だったの知ってんだろ。
――まさか、テレパシー?って、まさかそんな訳ないよな。
でもさっきも、オレが来た瞬間ドアが開いたし…)
そこまで考えた時、ふいに眠気が訪れた。
目の前の、ヒバリの笑顔が歪む。
『?』
ぐらりと景色がまわり…
そこで、ツナの記憶が途切れた。
意識がなくなる瞬間…耳をついたのは、ヒバリの楽しそうな声。
「捕まえた」
まるで待っていたかのように、ヒバリは倒れてきたツナを支えていた――。