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□First LOVE!40.最後の
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学校が始まり私たちはまた席替えをした。
新しい席は窓側の一番後ろがジローでその前が宍戸、そしてジローの隣りが私。もちろん偶然ではなく気の良い友達のおかげでこの席と代わってもらえたのだけれども。
「もう勉強なんかヤル気ねぇーって」
「だらけずにやれよジロー」
「そうだよ、これが最後のテストなんだから」
しまった。最後、という言葉に3人の胸がぴくりと動いた。それでもお互いに気付かないふりをしながら明日のテスト勉強を続ける。
そうだ、分かっていたはずだあの春から。すべての行事が最後になっているのだと。
「テスト、がんばろうね」
呟くように問いかければ、二人は柔らかく笑って当たり前だろと返してくれた。
最後の
(行事はひとつひとつ消えてゆき、)
(私たちが出逢った春へと近付いた)