□はなむけの唄
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暑い日差しの下でボールを追いかけていたのは遠い昔のことだ。あれから何年経ったんだろう。振り返る毎に夢ではなかったのかと思うほどに懐かしく輝いていた日々からは。

「…と、急がねぇと」

スーツ姿はようやく様になってきた。小さく隠れ家のようなフランス料理店に入る前に鏡を見ながらそんなスーツの襟をビシッと直す。よし、変ではない。

ついでに髪も少しセットをするとおでこに痕が残った小さな傷と出会う。ああ、やっぱりあの輝いていた日々は夢なんかじゃないな。俺もみんな、あの日々があって今まできたんだ。
それをもう一度確認するためにも案内された部屋のドアを静かに開けた。

「遅ぇぞ宍戸っ!」
「…よぉ」

開けた途端に真っ白で眩しい景色が飛び込んでくる。俺の憧れていたあの日々と同じ景色だ。


COMEBACK








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