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□『伝染…?』
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「相葉さんの水プレイ発言見ちゃった。」

湯槽に浸かりながら、脱衣場で歯を磨くカズに声をかける。

「あぁ、あれね。なんかすげぇ前に収録した感じだわ。」

「ふふっ。櫻井さんがさらっと流そうとしたのに、反応しちゃってたじゃん。変態和也くん出ちゃったね。」

「反応するでしょ?水プレイよ?水プレイ。」

ガチャリと浴室のドアを開けて言うもんだから、さっと口元までお湯に沈む。

「開けないでよ!変態!」

「うわっ、楽しみ半減。乳白色の入浴剤とかってどうよ?」

「やめてよ?入ってこないでよ?」

「あれ?なんか、入っておいでって誘われてる気がするわぁ。」

「誘ってません!!」

「ハイハイわかりました。のぼせる前に出てきなさいよ。」

お母さんみたいなことを言って、カズは浴室のドアを閉めてくれた。

今日は珍しく私の方が帰りが遅く、明日が早いからとカズは就寝準備中だった。

お風呂から出ると、カズはソファーでコントローラーを握ったままスヤスヤと寝息を立てている。

「もぅ。」

今度は私がお母さんみたいな溜め息をついて、そっとコントローラーを抜きゲームの電源を切る。

「カズ、ベッドで寝なきゃ腰痛くなっちゃうよ?」

「………んー。」

「カズー。」

「……あ…うん。……。」

フラフラと立ち上がり寝室へ向かう。

「おやすみなさい。」

そう声を掛けると、カズはふと寝室のドアの前で立ち止まり、

「…水プレイ…楽しみにしてます。おやすみなさい。」

ペコッと頭を下げてドアの内側に消えてしまった。

「………くすっ。」

頑張ってるカズに、水プレイ許可してあげようかな。
あっ、じゃあ、入浴剤買わなきゃね。

なんて考えてしまう私…
変態って伝染しちゃうんだ…。


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