本棚V
□『ほら、可愛い』
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「なんだろう。見た目かなぁ?」
「は?」
「潤って、ホントに何でも完璧なイメージだよねぇ。」
「え?」
「翔さんの不器用さとか、相葉さんの天然さとかに隠れてるけど、潤だってヒドイ不器用だし、ヒドイ天然なのにね。」
「……。」
「それにさぁ、お洒落なのかどうなのか微妙な服着てるときあるし。正直これだってちょっと…」
引っ掛けて少しほつれた
ポケット部分を縫い直す手を止め、
広げてまじまじと見た
潤のお気に入りのジャケット……
「………微妙よね…。」
向かいで頬杖をついて
私の手元を見ていた潤は
「何、お前それ悪口?」
って。
「違うわよ〜。本人目の前にして悪口とか言えないわ。」
「悪口じゃなかったら何なんだよ。ったく、お前はホントにチクチクと。」
ちょっと拗ねたような口調…
「ふふっ。だからね、私はそういう潤の"可愛い"所が好きなのにって思ってるだけよ?」
「か、可愛いって……」
目を泳がせ、急に言葉に詰まる潤。
「ね、ほら、可愛い。」
「うっ…………はいっ、降参。もう、俺お前に勝てる気しねーわ。」
なぜか何でも"勝負"なってしまう。
そんな潤は、やっぱり…
『ほら、可愛い。』
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