本棚V
□『天使の恋』
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「…潤」
いつ使ったか思い出せないくらい
姿を見てなかったキミの部屋の合鍵。
パジャマ姿のキミは
驚いた顔をする。
そりゃ、そうだよな。
こんな時間にさ。完全にドロボウだもんな。
それでも…
今日だけは…
「………から…」
「え?」
上手く、声が出ない…
「潤?」
「…淋しい…から」
「……」
「俺だってさ、淋しいから。お前に会えなきゃ淋しいし、メールも電話もくれなきゃ淋しいし…。お前いなきゃさ…嫌だから…」
言葉が零れる。
「……一緒…ね。」
キミは優しく笑って、
ちょっと背伸びをして俺をフワリと
抱き締めた。
「ごめんな。」
「ううん。全然…。」
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