359story

□戦場の華
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戦の華





「敵将討ち取ったり!!!!」

戦場に馬超の声が高らかに響いき渡った。

「やぁ〜だ!周瑜様〜ごめんなさい〜」

声のとおり、討ち取られたのは呉軍の華とも唱われる小喬。

「もうっ、焼くなり煮るなりしちゃいなさいよぉ!知らないんだからね!!」

小喬は泣き気味にそう言った。

「貴様なぞ食っても不味いであろう」

馬超はそう言うと小喬の首ねっこを掴んで軽々と片手で持ち上げる。

「きゃっ、何すんのよっ!」

小喬は驚いてじたばたともがくが足は地面に着かず、空をかいている。

「はなしてよぉ〜!!!」

「馬超殿、女性はもっと丁寧に扱って下さい。」

突然背後から声が聞こえ、あっと言うまに馬超の手の中から小喬が離される。

「すみません。手荒な方で。」

そう言ってにっこりと笑うのは戦場では有名な武将、趙子龍であった。
噂にはあの魏の大軍の中に単騎で突入し、生きて帰ってきたと云う凄い人物。
しかし目の前にいるのは男にしては綺麗すぎる容姿。
体系も筋肉質ではなくどちらかと言うと華奢である。

「では、失礼ながら私達と本城までご一緒いただけますか?」

趙雲はそう言って小喬の服についたほこりを払ってやる。
小喬は訳が分からずきょろきょろと趙雲と馬超の顔を眺める。
普通、ここで殺されるのは間違いない。
今は戦中なのだ。
なのに一緒に来いだと云うではないか。

でも…この人(趙将軍)はとっても良い人に見える…。

とりあえず小喬は言われる通りに従い、趙雲と馬超について行く事にした。







「諸葛亮殿、小喬殿をお連れしました。」 

趙雲と馬超に連れられて本城の広間まで連れてこられた小喬。
陸遜も尊敬する諸葛亮とはこれが初対面である。
小喬は少くとも捕虜的な扱いではない事に内心少しほっとしていた。
諸葛亮の他にも、劉備、関羽、張飛、など蜀の重将達や軍師が全員集まっている。

「で、今回はどういう策なのだ?」

馬超はぶっきらぼうに諸葛亮に言った。

「今度の策は至極簡単なものですよ」

諸葛亮はそう言って口元に羽扇を当て笑みを浮かべた。

「早く教えてくれぬか?諸葛亮よ」

劉備はもったいぶる諸葛亮を急かしさせる。
諸葛亮はにこっと笑うと小喬の方に振り向き目を細めた。

「小喬殿、着物を脱いでいただけますか。」
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