359story
□半月(作成中)
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趙雲「それで、いったい何が?」
張飛「ああ、それなんだが。例の噂の奴が、兄者に会いに門前に居んだよ」
趙雲「………。は、入って来てはいないですよね?」
張飛「んにゃっ。経った今入って来たぞ。ほらっ、あそこに居んじゃねぇか」
馬超「どれっ…。ふむ。あの者か…」
趙雲「……………………………」
張飛「じゃー俺ぁ兄者に伝えに行って来るわ!!あばよっ」
馬超「ではまた後程」
趙雲「劉備殿によろしくお伝え下さい」
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町人「その話、もっと話してくれねぇか?」
謎の人物「良いですとも。では…我が国では今日は陰暦での十五夜にあたっているんだよ」
町人「どういう意味だね?」
謎の人物「つまり、今夜は満月の夜なのさ。その十五夜の日は月下に宴を張って、詩歌を読んだりするのさね。後は月見団子・芋・枝豆・柿・栗を備えて、すすきや秋草の花を飾って月をまつる日なんだよ」
町人「へぇ。あんた不思議な事を知ってるんだな。おらんとこにゃ供え物はねぇが、今夜は月でも眺めてみるよ」
謎の人物「そりゃ良い事だ。御月様があんたに力を下さるよ」
軒並みにある土壁を背も垂れに、怪しい人物と話し込む町人のそんな会話に耳を立てている漢(男)が二人。
馬超「あれか。噂の異国人は」
趙雲「そのようですね。変わった話をしているようですが…怪しいですね」
馬超「確かに変わってはいるが、怪しい奴とは思えぬが…」
何を言い出すこの男は。どこからどう見ても怪しいに決まっているだろう。
と、趙雲は密かにツッコミを入れた。
趙雲「取り敢えず近くに行ってみましょう」
謎の人物「おや?何だねお前さん方は?ここのお偉いさんかい?」
見事とも言える装飾品に鎧。
このいでたちで、偉くないわけがないのだがその人物は異国出。
ここ(国)の風習など分かってはいない様だ。
現に口の聞方や、頭一つ下げぬ行為が証拠。
馬超「済まぬが、其方(そなた)はどちらから来られたのか?」
謎の人物「さぁ。気が付けばココに来ていたからね」
何処か遠くを見つめながら言う。
趙雲「貴方は御自分の意思で此処へ来られたのではないのか」